医療機器の品質管理文書

要求分析と仕様策定

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
設計要求仕様書 ユーザーの要求やニーズを明確化し、製品の目的や機能要件を定義する 製品の設計要件や顧客の要求事項が明示された文書です。
「設計要求仕様書」は医療機器の開発プロセスにおいて重要な役割を果たし、ISO13485の要件にも直接関連します。
具体的には、ISO13485のセクション7.3(「設計と開発」)にて、開発プロセスの各段階で必要となる文書化されたレビュー、検証、および承認の手順が詳述されており、この中に「設計要求」の策定とレビューが含まれ、設計要求仕様書がそれらを満たすための重要なドキュメントです。したがって、「設計要求仕様書」はISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保する上で必須の管理文書です。
設計・開発計画書 品質、安全性、性能などの仕様を策定する ISO13485のセクション7.3に「設計と開発」の手順が規定されており、このセクションでは設計と開発のプロセスが明確に計画され、その計画が文書化され、更新されるべきと述べられています。具体的には、設計と開発の各段階、役割と責任、審査、検証と検証の方法、確認、そして製品移行の手順などが含まれます。
「設計計画書」は、設計と開発プロセスの計画を明示し、ISO13485の要求事項を満たすための重要なドキュメントとなり、製品の開発プロセスが適切に管理され、医療機器の安全性と品質の確保、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために必須な管理文書です。
リスク解析レポート 仕様策定段階で潜在的なリスクを予測し、リスクの評価と対策を明確にする 製品が想定使用条件下で安全であること、そして期待される性能を達成できることを示すための重要な証拠となります。このレポートは、製品の仕様や設計がリスクを最小限に抑えるように作られていることを確認するために用いられます。
ISO13485では、全体的な製品ライフサイクルにわたるリスク管理を求めており、その一部としてリスク管理レポートの作成が求められるこのプロセスは、製品のリスクを評価、制御、監視するためのものです。

設計と開発

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
商品規格書(製品仕様書) 概念設計: 製品のアイデアを形にし、基本的な設計や機能を検討する 製品の機能、動作、安全性、諸規格への対応基準の詳細が定義された文書です。
「商品規格書(製品仕様書)」は一般的に製品の技術的な要求を詳細に記述する文書で、開発や製造のプロセス、品質管理、規制対応などにおいて非常に重要な役割を果たします。
ISO13485セクション7.3.3では製品の設計と開発出力を示すために必要な要件が説明されており、この文書では製品仕様を満たすことを確認するために適切な方法で記録され、それを承認していきます。
「商品規格書(製品仕様書)」はその製品が規定の要件を満たしていることを示すための重要なドキュメントであり、ISO13485認証取得、監査対応、そして医療機器の安全性と品質の確保において必須の文書です。
トレーサビリティマトリックス 要件明確化:要求から設計、実装、検証までの各段階をリンクさせる 製品要件(ユーザーニーズ、システム要件、サブシステム要件、ハードウェアとソフトウェアの要件など)とそれに関連する検証、確認、リスク、製造などを結びつけて追跡するためのツールです。これにより、要件が正確に満たされていること、リスクが適切に管理されていること、そして各要件が正確にドキュメント化されていることが確認できるようにします。
ISO13485に基づく品質マネジメントシステムは、医療機器の設計と製造に関わる全てのプロセスが適切に計画、実施、管理、モニタリングされていることを要求しており、製品の要件を適切に追跡し、管理するための方法として「トレーサビリティマトリックス」は広く活用されています。
デザインレビュー実施報告書 詳細設計: 概念設計を具体化し、製品の仕様や要件に基づいて詳細な設計を行う 商品規格(製品仕様)を満足する設計を確認した報告書です。
ISO13485セクション7.3に「設計と開発」の手順が規定されており、設計と開発のプロセスが明確に計画され、その各ステージで設計レビューが行われるべきと規定されています。具体的には、セクション7.3.4で設計レビューの実施とその結果の文書化が要求されています。
したがって、「デザインレビュー実施報告書」は、設計と開発プロセスの各段階における設計レビューの結果を明示し、ISO13485の要求事項を満たすための重要なドキュメントです。これにより、製品の開発プロセスが適切に管理され、医療機器の安全性と品質が確保されます。
ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために必須な管理文書です。
デザインレビュー審議書 試作:製品の試作やプロトタイプの作成を通じて、設計の妥当性や機能性を確認する デザインレビュー報告書をもとに、品質・製造部門も交えて対策や改善を審議決定した記録です。
ISO13485セクション7.3にて「設計と開発」の手順が規定されており、設計と開発のプロセスが明確に計画され、その各ステージで設計レビューが行われるべきと要求されています。具体的にはセクション7.3.4で設計レビューの実施とその結果の文書化が要求されています。
したがって、「デザインレビュー審議書」は、設計と開発プロセスの各段階における設計レビューの結果を明示し、ISO13485の要求事項を満たすための重要なドキュメントとなります。これにより、製品の開発プロセスが適切に管理され、医療機器の安全性と品質が確保されます。
ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために必須な管理文書です。

検証と評価

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
検証プロトコルおよび設計検証規格書 製品の設計が要求仕様を満たしているかを検証する 製品の設計検証および検証試験の計画、手順、結果、評価などが含まれた文書です。
ISO13485セクション7.3.6では、「設計および開発の検証」について説明されており、開発した製品が設計入力要件を満たすことを示すために、計画された検証活動が必要とされています。これらの活動は事前に定義された検証プロトコルに基づいて実施され、結果は設計検証規格書などの形で記録します。
同様にセクション7.3.7では「設計および開発の確認」について説明されており、製品が最終的な要件を満たし、意図した用途で適切に機能することを確認するための活動が要求されています。したがって、「検証プロトコルおよび設計検証規格書」は製品が設計要件を満たし、かつ安全で品質が保証されていることを示すための重要な文書となります。
ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために必須な管理文書です。
設計検証報告書 製品の機能性、性能、安全性、信頼性などを評価するための試験や検査を実施する 各種の検証を実施した報告書です。
ISO13485セクション7.3.6では、「設計および開発の検証」について説明されており、開発した製品が設計入力要件を満たすことを示すために、計画された検証活動が必要とされています。これらの検証活動の結果は、「設計検証報告書」などの形で文書化され、保存さする必要があります。
この文書は製品が設計要件を満たしていること、およびその証拠を示します。医療機器の安全性と品質を確保し、ISO13485認証取得ならびにその監査対応のためには、「設計検証報告書」は必須な管理文書です。
有効性評価報告書 製品が意図した目的に適合していることを示す 製品がその指定された目的に対して有効であることを示すための重要な証拠を示す文書です。
ISO13485のセクション7.3(設計と開発)は、製品の設計と開発の過程で設計の入力要求を満たすために設計の出力を検証し、製品が指定された使用条件下で予期される要件を満たすことを確認することを求めています。また、設計と開発の確認と検証の結果は記録として保管されるべきであり、これはしばしば「有効性評価報告書」の形で行われます。
品質提検実施計画書と報告書※1 リスク評価や品質管理の観点から、必要な文書やレコードを作成する 規定された製品品質の確認方法と、品質基準を満足したか否かの報告書です。
ISO13485セクション8.2.4「監視および測定の結果」では、監視および測定を実施し、必要な記録を維持することを求めています。この「品質確認報告書」は、監視および測定の結果を文書化し、適切な品質が確保されていることを証明するための重要な手段となり、ISO13485認証取得ならびにその監査対応のため、製品の品質を証明する重要な手段です。
リスク管理文書※2   製品のリスク管理に関する文書で、リスク評価、リスク制御策、リスク管理プロセスを記録した文書です。
ISO13485セクション7.1では「プロセスがリスクに基づいて管理されていること」を要求しています。この規格は、リスク管理に関するISO14971規格を参照しており、このISO14971では、「リスク管理計画」、「リスク分析」、「リスク評価」、「リスク制御」、「全体的なリスクの評価」、「リスク管理の確認」、および「製造と展開の間のリスク管理の維持」を記録するための「リスク管理レポート」を含むリスク管理文書の作成が求められています。
「リスク管理文書」は、製品開発全体を通じてリスクを適切に管理し、医療機器の安全性と品質を確保するために重要な役割を果たし、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。

設計の変更

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
変更影響評価報告書 検証と評価結果に基づいて商品規格を満足するために設計を変更する ISO13485のセクション7.3.7(設計と開発の変更)は、設計と開発の変更がすべて評価、検証または検証、レビュー、承認を経て記録に残されるべきであることを要求しており、設計の変更は、その影響を評価し、必要な措置を決定するためにレビューされなければなりません。
「変更影響評価報告書」は、設計変更が製品の品質や性能、安全性に及ぼす影響を分析し、評価するための重要なツールで、この報告書により、変更が製品の全体的な性能や安全性にどのように影響するかを理解し、適切なアクションをとることが可能となります。
設計変更記録   製品の設計変更の内容、理由、実施手順、検証結果などが記録された文書です。 ISO13485は製品の設計と開発に関して特定の要求事項を設けており、その中には設計の変更を適切に管理する必要性も含まれています(セクション7.3.7)。この設計変更は、詳細な文書化とレビュー、承認、そして変更が安全性と性能の要求事項に影響を与えないことの検証や確認を伴います。 したがって、製品開発の過程で設計が変更される場合、その変更とそれに伴う影響評価、レビュー、承認などを記録した「設計変更記録」は必要となり、ISO13485認証取得およびその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保するために重要な管理文書です。
設計変更後の再検証報告書   設計変更を施した製品についての、上記の再確認とその記録です。
ISO13485セクション7.3.7では、設計と開発の変更が適切に識別され、文書化され、レビューされ、承認されることを要求しています。さらに、変更が製品の安全性と性能の要求に影響を与える可能性がある場合、その変更は適切に検証または検討される必要があります。
したがって、「設計変更後の再検証報告書」は、設計の変更が製品の安全性と性能に及ぼす影響を適切に評価し、その結果を文書化するために不可欠な文書となり、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保するために重要な管理文書です。
品質再提検計画書と報告書
(設計変更後の品質再確認報告書)
  (上記※1と同様)
設計変更後のリスク管理文書   (上記※2と同様)

設計の承認

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
設計と開発のレビュー記録 製品の設計の承認結果や関連する承認プロセスを記録する ISO 13485のセクション7.3.5(設計と開発のレビュー)では、設計と開発の各ステージにおいて、設計と開発のレビューをシステマティックに行い、その結果を記録することを求めています。このレビューは、設計と開発のプロセスが管理されていること、そして設計と開発の結果が要件を満たしていることを確認します。これらのレビューは、設計と開発のステージが終わるたび、または必要に応じて行われます。
商品規格(製品仕様)・設計・品質・リスク対応の最終審議資料と承認記録 開発プロセス標準に基づく審議用資料と、審議・承認記録(いずれも標準規定の書式)です。
ISO13485セクション7.3では、開発プロセスの各段階で適切な審議と承認を行うことが求められています。特にセクション7.3.6 (設計及び開発のレビュー)では、製品の設計を承認する前に、設計が定められた要件を満たすことを確認するための正式なレビューを実施することが要求されており、その結果は記録される必要があります。
したがって、「製品仕様、製品設計、製品品質、リスク対応の最終審議と、それらの承認記録」は、開発プロセスの適切な審議と製品の設計の承認を示す文書として必要となり、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保するために重要な管理文書です。

認証と規制適合

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
各要求基準(ISO)対応検証記録
各国法規制・承認・認証審査対応文書
開発した医療機器が適切な規制や認証要件に準拠しているかを評価する
製品の承認申請や認証取得の手続きを行う
薬事・FDA 510(k)・MDR・C-FDA他、各国承認申請に必要な内容を記録して、法規制・国際標準に準拠していることを記載した文書です。
ISO13485セクション7.3 (設計と開発)には、製品の設計と開発プロセスに対する具体的な要件が記載されており、特にセクション7.3.3 (設計と開発の出力)では、設計出力が規制要求事項を満たすことが求められています。これは、「各規制要求基準への対応検証の記録」を作成し、管理することを必要としています。
これらの記録は、製品が適切に設計され、製造され、諸規制に適合していることを証明するために必要であり、ISO13485の監査対応の一部としても要求されます。したがって、製品認証と規制適合のプロセスにおいて、これらの記録は必須となり、かつISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保するために重要な管理文書です。
監視対策報告書 法規制、基準、ガイドラインの変更に対応するプロセスを記載した文書 ISO13485のセクション8.2.1(フィードバック)と8.2.2(製品に関する苦情処理)では、監視活動と苦情処理を通じて収集した情報をフィードバックとして組織全体に提供し、製品の安全性とパフォーマンスを確保するための措置を定めることを求めています。
また、セクション8.5.1(改善のための行動)では、適切な情報を元にリスクに基づく意思決定を行い、製品の品質と安全性に関する問題を解決するための対策を実施することが要求されています。
「監視対策報告書」は、これらの要求を満たすための重要なツールで、この報告書により、製品のパフォーマンスや市場での使用状況、顧客からのフィードバックなどを評価し、品質改善や製品のリスクの管理に役立てます。

量産化と製造

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
製造プロセス標準書
製造指示書
製造確認書
量産に向けた製造プロセスを確立し、製品の安定供給を実現する ISO13485セクション7.5.1では「製品の製造およびサービス提供のコントロール」が必要とされています。この部分では、作業指示、検証、検査、承認などをカバーするために、適切な情報と文書が必要です。
具体的には、「製造プロセス標準書」は製造プロセスの手順と要件を詳細に説明します。「製造指示書」は各製造工程で行われる具体的な作業を指示します。そして、「製造確認書」は製造工程が適切に実施され、製品が指定された要件を満たしていることを確認するための文書です。
これらの文書は、製造プロセスの品質と一貫性を確保し、製品の安全性と機能を維持するために必要で、ISO13485の監査時にはこれらの文書が適切に管理・保管されていることが確認されます。したがって、製造段階においてこれらの文書は必須となり、「製造プロセス標準書」「製造指示書」「製造確認書」は、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のために、医療機器の安全性と品質を確保するために重要な管理文書です。
キャリブレーション記録 重要な製造装置や測定装置の性能が定期的にチェック(校正)されていることを記録する ISO13485は、医療機器の製造過程における設備や測定器具の管理とそれらのキャリブレーションについて規定しています。具体的には、セクション7.6(制御された環境の下で使用される監視・測定機器の管理)にて、適切なキャリブレーションを通じて測定器具の精度を確保することが要求されています。
「キャリブレーション記録」は、これらの要求を満たすための重要なツールで、この記録は、使用される機器が正確で信頼性があり、設定された範囲内で適切に動作していることを証明するための証拠となります。そのため、これらの記録が適切に保管・管理されていることは、製品の安全性と品質を確保する上で非常に重要となります。
製造品質標準書 製造工程の品質管理やトレーサビリティを確保するための手順や文書を作成する 「製造品質標準書」は製造プロセスにおける品質要件と基準を設定する文書で、製品の製造段階における品質管理の基盤となります。この文書により、製造過程の各段階での品質要件が明確化され、製造プロセス全体が監視と制御の下に置かれます。
ISO13485では医療機器の製造過程における品質管理の要件が詳細に記述されていて、製造過程における品質管理が適切に行われているかどうかを確認するための主要な手段として、「製造品質標準書」が使用されます。
したがって、「製造品質標準書」は、製造段階において医療機器の安全性と品質を確保するための必須な管理文書です。また、ISO13485の監査時には、この文書が適切に管理・保管され、実際の製造プロセスに適切に反映されているかが確認されます。
生産のための調達・仕入れ先記録(製造者、部品名称、ロット番号、シリアル番号など)
調達部品の受け入れ検査記録
製品の品質問題対応やアフターサービスのために、部品や製品を追跡可能にするための記録です。
これらの記録は、製造過程全体における品質管理の一部を形成し、特にサプライチェーン管理と品質保証における重要な役割を果たします。調達された部品と素材の品質が製品全体の品質に大きく影響を与えるため、それらの品質を確認し、適切な記録を保持することは極めて重要です。
ISO13485では、入力素材の品質とその検証、供給業者との関係管理、検査やテストなどのプロセスについて具体的な要件を設けています。これらの記録は監査対応の際に、供給業者の選定、調達部品の受け入れ、そしてその品質管理プロセスが適切に機能していることを証明するために必要となります。
したがって、「生産のための調達・仕入れ先記録、および調達部品の受け入れ検査記録」は、製造段階において医療機器の安全性と品質を確保するための必須な管理文書となり、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するための重要な管理文書となります。

出荷とアフターサービス(修理サポート)

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
製品製造でのロット番号・シリアル番号記録 製品の出荷や導入を行い、顧客への提供を開始する(在庫庫入、出荷) このような情報の追跡可能性は、製品のリコールや製品の改善、さらには顧客からのフィードバックやクレームに対する効果的な対応を可能にします。具体的には、ロット番号やシリアル番号を使用して、特定の製品がどの製造ロットから来たのか、またそれがどの供給業者からのどの部品を使用しているのかを特定します。これにより、問題が発生した場合には、特定の製品や製品群を迅速に特定し、適切な対策を講じることが可能となります。
また、アフターサービスや修理サービスの際にも、これらの記録は特定の製品の履歴を追跡し、問題の特定や解決に役立ちます。
したがって、「製造段階でのロット番号やシリアル番号の記録」は、製造、出荷、アフターサービス、修理サービスの各段階において、医療機器の安全性と品質を確保するための必須な管理文書となり、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
製造完成確認記録 「製造完成確認記録」は製品が製造仕様を満たしていること、そして製品が品質基準を遵守していることを証明する重要な文書です。
この記録は、出荷前の最終チェックや品質検査で生成され、製品の全ての製造ステップが完了し、製品が顧客に送られる前に製品が正しく機能し、設計通りに動作することを確認します。
さらに、修理サービスの際にも、修理前と修理後の状況を比較し、修理が適切に行われたことを示すためにも「製造完成確認記録」が必要となります。
したがって、「製造完成確認記録」は、出荷前の最終チェック、品質保証、アフターサービス、修理サービスの各段階において、医療機器の安全性と品質を確保するための重要な管理文書であり、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
製品出荷記録 「製品出荷記録」は、製造された製品がどの顧客にいつ、どの数量で出荷されたかを明確に記録することで、製品の追跡可能性を確保し、製品に問題が発生した場合のリコール(回収)や情報提供の際に重要となります。さらに、修理サービスの際にも、該当製品の出荷情報が確認できることで、顧客への対応に利用されます。
ISO13485は製品のライフサイクル全体を通じた品質マネジメントシステムを要求するため、製品の製造から出荷、そしてアフターサービスまでの各プロセスの記録が必要です。そのため、「製品出荷記録」は医療機器の安全性と品質を確保するための重要な管理文書であり、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
製品庫入記録 「製品庫入記録」は、製品が製造された後、正確にどの製品がいつどのような状態で倉庫に格納されたかを追跡可能にします。これにより、倉庫に保管されている製品のロット番号やシリアル番号、保管状態、在庫数などを一目で確認できます。
製品の追跡可能性は、万が一の製品回収(リコール)や製品の問題解析時、または、顧客からの問い合わせ対応時に必要となるため、非常に重要となります。さらに、修理サービスの際にも、該当製品の庫入情報が確認できることで、修理の対応をスムーズに進めることが可能になります。
ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
製品庫出記録
製品出荷記録
これらの記録は、製品がどの時点で倉庫から出庫され、どの顧客や地域へ出荷されたかの詳細情報を保持します。それにより、製品の流通経路を追跡し、必要に応じて迅速に製品情報を取得することが可能になります。この情報は製品のリコールや顧客からの問い合わせ対応、または製品の品質問題解析などに必要となります。
さらに、販売後の医療機器の修理を行う段階では、該当製品の出荷情報が具体的に何時にどの顧客に対して出荷されたかを把握することで、修理対応をより迅速かつ適切に行うことが可能になります。
ISO13485認証取得ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
修理サービス記録
製品不具合検証と対応の記録
アフターサポートや修理サービスなど、製品のライフサイクル全体をサポートする活動を実施する これらの記録は、顧客からの修理依頼や製品不具合の報告を適切に対応し、追跡するために必要となります。さらに、これらの記録は製品の品質改善を推進し、再発防止策を策定する上でも重要な情報を提供します。
「修理サービス記録」では、どの製品が何のために修理され、どのような修理が施されたかを詳細に記録します。それにより、製品の問題を迅速に特定し、改善策を検討することが可能となります。
一方、「製品不具合検証とその対応の記録」は、製品に発生した問題とその問題を解決するためのアクションを記録します。これにより、同じ問題が再発するのを防ぐための対策を立てることが可能となります。
ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
カスタマーサービス記録 顧客からのフィードバックや製品に関する問い合わせを記録する ISO13485のセクション7.2.1(顧客関連のプロセス)とセクション8.2.1(フィードバック)では、顧客からのフィードバック(これには製品の不具合や問題も含まれる)を適切に収集、分析、活用することが要求されています。また、セクション8.5.2(製品改良)では、製品やプロセスの不具合に対する是正措置や予防措置を行うことが求められています。
「カスタマーサービス記録」は、顧客からのフィードバックや製品に対するクレームの詳細、それに対する対応や修理の経緯などを記録するもので、製品の安全性や品質の問題を特定し、改善するための重要な情報源となります。これらの記録は、製品の改良やリコール、警告通知の必要性を評価するためにも用いられます。

製造販売後

品質管理文書
(監査対象)
目的 文書の内容
有効性や安全性にかかわる記録 製造販売後調査(Post Marketing Surveillance)の継続実施し記録する これらの記録は医療機器の市販後のパフォーマンスと安全性を監視する重要な手段であり、製品の有効性や安全性に対する理解を深めるための情報を提供します。また、それらは製品に関連する潜在的なリスクや問題を早期に特定し、適切な対策をとることを可能にします。
これらの記録を保持することで、医療機器製造業者は製品のパフォーマンスを評価し、製品の改善やリコールの必要性を判断することができます。また、有効性や安全性の問題が発生した場合には、これらの記録を用いて迅速に対応することが可能となります。
したがって、「有効性や安全性にかかわる記録」は、医療機器の安全性と品質を確保するための重要な管理文書であり、ISO 13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
製造後の品質確保とその対応にかかわる記録   ISO13485の中では製造後の品質監視および製品改善のプロセスが重要な要素として挙げられています。このプロセスは、製品の有効性と安全性を維持し、リスクを最小限に抑えるために不可欠です。
具体的には、製造後のフィードバック、製品の不具合や故障、製品改善のためのアクション、そしてそれらに対する対応を記録し、追跡する必要があります。これらの記録は、医療機器の安全性と品質を維持する上で重要な役割を果たし、ISO13485の監査でも評価されるため、ISO13485認証取得、ならびにその監査対応のため、医療機器の安全性と品質を確保するうえで必須な管理文書です。
ポストマーケット監視記録   ISO13485では、8.2.1「フィードバック」の節や8.5.1「不適合製品、サービス及びプロセスの改善」の節、さらには8.2.2「内部監査」や8.2.3「監視及び測定」の節などで、製品の品質に関連する情報を持続的にモニタリングし、その結果を記録として保持することが要求されています。
また、医療機器の場合、製品の性質上、販売後に起こり得る問題やリスクを評価・管理することは非常に重要です。このため、製品の安全性と有効性に影響を与える可能性のある情報を集め、それを分析・評価し、必要に応じて製品の改善やリコール、警告などの行動をとる必要があります。これらの活動は「ポストマーケット監視」と呼ばれ、その結果は「ポストマーケット監視記録」に記録されます。